木精に感謝する

山は命の宝庫です。木々や動物など目に見える生き物の命ももちろんですが、菌類や土中のバクテリアなど「ちいさきもの」たちの命の営みにも思いを致すとき、豊饒な山のイメージが新たに浮かんできます。

山は、無数の命が循環している世界です。その命の集積として、木の中には木精=生命エネルギーが満ち溢れています。木々は土中に溶け込んだ命のエネルギーや、燦々と降り注ぐ太陽の恵みを集積して、その体を作っています。改めて木と面と向かうとき、木は、木精を私たち人間にも分け与えてくれる「橋渡し」に見えてきます。けっして単なる「材料」という「もの」ではありません。

木は、たとえ材木という形になって、家の骨組みや床の板や毎日使う家具に姿を変えても、その中に息づく木精は残すことができる。その木精のエネルギーを感じながら生活することができるのです。
日本列島に住む昔の人は、それをよく知っていました。そのことを「感謝」という生活態度でいつも表現をする。私たち丸平木材も、日々の営みの中にいつもそのことを位置付けていたいと考えています。

木精(山の生命エネルギー)に感謝して、木精の命をつなぐ加工をして、大工さんや職人さんが、そのことを引き継いでくれる、そして人々が日々のくらしの中で木精を感じて元気になれる。それが、丸平木材がとても大切にしていることです。

生産技術

丸平木材は、創業から100年以上の「経験と知恵」の集積の上に、現代にマッチした最新鋭の加工工場を始動させました。総面積1000坪のフルラインです。
無垢の柱などの構造材加工から、板などの羽柄材、壁や床などの内装材まで、細かな切削も自在に行うことができる設備概要です。

熟練の職人たちから次代を担う若き職人たちへ、高度な技術の伝承が日々行われており、日夜、技術の研鑽に努めております。

旬伐り

木は冬の凍結から身を守る為に、秋には水を降ろします。

春、新芽を出す為に水を上げるまでの休んでいる時が、切り旬(木を切るのに最適とされている時期)です。耐久性、割れ、狂い、色つや、香り・・・・それら全てを大きく左右します。ですから、いつ切ってもいいというわけではありません。

昔から大まかに、秋の彼岸~春の彼岸まで、と教えられてきました。
このように、山や木との付き合い方は、先人から脈々と受け継がれてきたことです。

個性を活かす製材

木にはそれぞれ個性があります。同じ山と言っても、水の流れや日の当たり方、地形、風の強さなど生育条件は様々ですから、木々は、それぞれ個性を持って育っていきます。素直なものや、ひねくれもの。伸びやかに育ったものや、厳しく育ったもの。木目、色合いといった表情もみんなそれぞれ。そのどれもが、かけがえのない個性なのです。丸平木材は、木々の個性を見極めて、「適材適所」への振り分けをして、生かし切ります。無駄な年輪は一つもありません。個性があるからこそ木は力強く、美しいのです。

個性を生かす製材。そのためのひと鋸ずつ木と向き合って挽く製材や、厳密な選別仕分け、育った山ごとの分別保管に必要な広大なストックヤードの確保などなど。それらにはたしかに手間がかかります。それでも、人の暮らしと、木の命をつなぐためには本来必要である手間をおしまないことが、とても大切なことだと丸平木材は考えています。

乾燥

皆様のくらしへ木精を繋ぐ製材。
その時、「乾燥」が実は大変重要なポイントとなります。
木の中に残っている水分が多いと、使用後、様々な支障が出てきます。だから昔の人は、木を十分に天然乾燥させて使ってきました。しかし、天然乾燥には大変な長い時間がかかります。昔の人にとっては当たり前のことだったのですが、近代の私たちの暮らしが変化して、その時間の長さを確保できなくなりました。そこで人工的に、機械で乾燥させることが30年前ごろから一般化してきました。また、気密性などしっかりと計算された現代の住宅等には、特に内装等には、人工乾燥によって精度の高い乾燥材が必要とされています。

一般に木に含まれる水分は、「自由水」と「結合水」という2種類に分類されています。自由水は、人間に例えれば汗や涙など自由に出ていく水分。結合水は細胞一つ一つを構成している水分とでも言いましょうか。ですから、自由水は比較的乾燥させやすいと言われています。問題は結合水です。身体の主成分を構成している水分ですから、簡単には抜けません。
木が結合水を保持し続けるのは、山の中で木が生命を全うした後、もしくは何らかの影響で倒れた後、自分の生命を次の生命(自分の子孫や、カビや苔やキノコ類や粘菌などなど)に繋ぐ自然の摂理なのだと思います。そう考えると、木材の乾燥には、その摂理を尊重する「作法」が必要なのかもしれません。丸平木材は、木精を皆様の健やかな暮らしに繋げる「作法」を考えながら、多様な乾燥技術を組み合わせ、木材乾燥しています。

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