南三陸杉に刻まれた物語

宮城県の北部に位置する南三陸町。山と海の距離がとても近い、小さなまちです。
分水嶺に囲まれたこのまちでは、山に降った雨や露は、川や地下水となって海へ注ぎます。このとき、山にあるミネラル分も一緒に地域の海に運ばれます。これにより、湾内の栄養は保たれ、美味しい海産物を育みます。
それだけではありません。春から夏にかけて、海からの霧(ヤマセ)が山を包み込みます。海からの水分とミネラル分をたっぷり浴びることで、南三陸の杉はすくすくと良材に育つのです。
南三陸杉には、山と海がお互いに守り育み合う物語が刻まれています。

南三陸杉の特徴

木目が密で強度が高い

南三陸は比較的雨が少なく、あまり栄養分の多くない岩盤質の土質をしています。そのため、杉は時間をかけてゆっくり成長していきます。一方で、雪や台風も少ないので、曲がったり折れたりすることなく、まっすぐ空に向かって伸びていきます。そうして、木目の詰まった強度の高い杉材になるのです。

赤身の美しい美人杉

杉の芯に近く色が濃い部分を赤身といいます。木の中心で成長を終え、細胞としての活動を終えている部分なので、湿気やカビに強いという特徴があります。南三陸杉は、この赤身の部分が薄いピンク色をしていて上品な風合いを持ち、素直な木目の美しさと相まって、美人杉と言われています。

伊達政宗公が求めた良材

仙台藩祖:伊達政宗公が仙台城を築き広瀬川をはさむ城下町に大橋を架ける際に、南三陸に杉の大樹良材を求めたという故事が伝えられています。それ以降、仙台藩の良質な杉の産地として植林が奨励されてきた、歴史あるブランド杉なのです。

家具は、ご家族とともに呼吸し、年を重ねていくものだから。
ご家族の日々とともにあることを第一に考えて、maruheiのプロダクトは南三陸杉を使用しています。